「灯りを考える」

部屋の灯りを、意識したことはあるだろうか。

何気なくスイッチを押し、明るくなったことに安心する。

けれど、その光が私たちの気分や集中力に影響を与えていることは、あまり知られていない。

たとえば、夜。

白く強い光のもとでスマホを見続けると、目が冴えて眠れなくなることがある。

それは、ブルーライトと呼ばれる光が、脳を「昼間」だと勘違いさせてしまうからだ。

もし、オレンジ色の優しい灯りに変えてみたらどうだろう。

心がほっと落ち着いて、自然にまぶたが重くなってくるかもしれない。

灯りは、ただ部屋を照らすものではない。

私たちの気持ちや暮らし方に、そっと寄り添う存在でもあるのだ。

照明には、大きく分けて 3つの役割 がある。

一つは、全体を明るくする光。

学校の教室や、部屋の天井にあるライトがこれに当たる。

白く強い光が均等に広がることで、安心感が生まれる。

けれど、それだけでは部屋にメリハリがなく、どこか無機質に感じることもある。

二つ目は、作業のための光。

机に向かうとき、勉強や読書をするとき、手元を明るく照らしてくれる。

自然光に近い「昼白色」のライトを使うと、文字がはっきりと見え、目が疲れにくい。

だが、一日中強い光を浴び続けると、知らぬ間に肩の力が抜けなくなることもある。

そして三つ目が、雰囲気をつくる光。

間接照明やスタンドライト、キャンドルの炎のように、ふわりとした柔らかな灯り。

カフェのような空間、静かに本を読む夜、友人とゆっくり話す時間。

こうしたひとときに欠かせないのは、まぶしすぎず、穏やかな光だ。

灯りの色にも、それぞれ意味がある。

オレンジがかった電球色は、心を落ち着かせ、リラックスした気分にしてくれる。

リビングや寝室で使うと、やさしい安心感に包まれるだろう。

白っぽい昼白色は、太陽の光に近い。

作業をするとき、集中したいとき、勉強部屋にぴったりだ。

そして、青白く光る昼光色。

目を覚まし、活動的な気持ちにさせてくれる。

けれど、夜に使いすぎると、脳が「まだ寝る時間じゃない」と判断してしまう。

もし、部屋の雰囲気を変えたいなら、まず灯りを変えてみるといい。

シーリングライトだけに頼らず、間接照明やスタンドライトを取り入れる。

温かみのある光で、空間に奥行きをつくる。

必要に応じて、作業用のライトとリラックス用の灯りを使い分ける。

ただの明かりではなく、心を整えるための灯りを。

それを意識するだけで、日々の暮らしは、少しだけ心地よくなるかもしれない。